年頭所感

令和2年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

2019年は本質的成長の年

平成から令和へと1つの時代の区切りとなった2019年は、自社の持続的な成長、および産業の発展に貢献をする為に、FSXブランドの確立を掲げて臨んだ1年でした。前期決算では増収を果たしたものの、折からの物流費や人件費、原材料費の高騰に加え、近年注力して進めてきた製品・ブランドの開発費償却を実施したことにより、大幅な減益となりました。大きな痛みを伴う1年ではありましたが、経営体制の策新やミドル・マネジメントの整備、社内コミュニケーションの強化に取り組む等、組織構造を抜本的に見直し、中期経営方針の再策定を行うことで、組織としてはかつてないほど大きく成長した1年となりました。また、妥協することなく5年がかりで取り組んできたブランド・製品・サービス開発も、次の10年の長期的な発展を視野に入れた準備が整った1年でもあります。今後も外部環境の大きな変化は避けられず、私どもの事業を取り巻く状況も激変することが予測されています。そのため既存のお客様への製品・サービスの拡充はもちろんの事、産業全体の裾野の拡大に取り組んでまいりました。現在、様々なパートナー企業様とのアライアンスを開始し、新規市場や潜在顧客へのアプローチを進め、少しずつ成果が出始めております。
2019年のトピックスとしては、弊社の特許技術である『VB(ブイビー)』に関する共著論文が国際ジャーナルに採択され、学術的な見地から効能効果が認められました。また、おしぼりの品質管理に、業界としては初となるウイルス遺伝子検査を取り入れた、新しい検査制度を開始しています。さらに異業種であるクリーニング業界にも導入頂くなど、おしぼりから生まれた衛生の技術として、『VB』の社会実装が進んだ1年となりました。そして開発から3年の月日を要した『REION』のSサイズが発売されました。製品群が出揃ったことで、オフィスやスポーツ産業などに向け、癒し・リラックスといった新しいおしぼり・タオルの提案を開始しています。消費者の意識や価値観も大きく変わっていく中で、今後も現代人の疲れや健康に繋がる使い方がますます広がると見込まれています。2019年で得た多くの経験を糧に、今後も経営理念の浸透、そして組織体制の強化を図ってまいります。

2020年は次代のビジョン確立の年

2019年の成長痛を糧として、2020年は持続的成長の為に自社の目指すビジョンを確立し、社内や外部の多くの方々にも共感を得られる会社づくりを目指してまいります。今後10年の社会環境の激変を見越した人財開発を当社の最重要課題と捉え、社員のやりがいや能力を発揮できる人事制度改革を予定しております。引き続きより一層の経営体制・組織構造の強化に取り組んでまいります。
また、社会的課題であるSDGs(持続可能な開発目標)を念頭に、環境保全や働き方を含めた雇用問題、さらに健康に寄与する製品・サービスの提供など、“共生”を企業スタンスに掲げているFSXとして、環境や社会への責任を果たしてまいります。
具体的な営業面としては、私達のコア事業である「おしぼりレンタル」を重点的に強化し、弊社のサービスブランド『REION』、『VB』、『ポケットおしぼり』等を活用したソリューション提案を重ねながら、成長を目指します。今後台頭していくホスピタリティー市場、衛生市場、抗疲労市場などに対して、おしぼりの社会実装を目指して、アライアンスやプロモーションを強化し、パイロットケースを積極的に構築してまいります。また、ICT(情報通信技術)を積極的に整備し、作業効率化を図りながら、お客様やパートナー企業の皆様にも使いやすいインターフェースを提供してまいります。
2020年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックイヤーとなり、世界中から日本が注目される1年になります。日本発祥のおもてなし文化であるおしぼりをエッセンスとして、多くの人々のお役に立ち、また確実に成果の上げられる会社を目指して、社員一同精進してまいります。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2020年 1月 1日
FSX株式会社
代表取締役社長 兼 最高経営責任者
藤波 克之